昨日と同じ今日、今日と同じ明日。
世界は繰り返し時を刻み、変わらないように見えた。

――それを疑わないキミたちではあるまい。

金と黒とに崩れ落ちた空の向こう、少女の可憐な笑い声が聞こえてくる。
大地を包むは純真無垢で穢れなき願い、小さな手の内側の切なる希望。
同時にそれは傲慢な暴虐。

「あたしね!こんどこそしあわせなせかいをつくるの!」

デクスパルージア、それは
ㅤㅤㅤㅤㅤ裏切りを意味する
願いを願いで塗りつぶす言葉。



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企みによって一度繋げられ、元に戻ったそれぞれの世界。
未来の懸かる戦いを生き抜いたオーヴァードたちが結んだ絆だけが、
全ての世界が一つになろうとしていた過去を証明している。

一つになろうとしていた世界でソレは目にした。
こわしてしまった「庭」にはなかった数々の奇跡を、そして幸福を。
思いを馳せる。轟々たる瀑布、清らかなる風の音、賑わう街の灯りに。

「あたしのせかいも、こんなふうにできるかな?」

少女は思いついたのだ。他の世界の輝きを、平面だった「庭」に継ぎ接ぎすれば、
自分の世界に限りなく美しい理想郷が生まれるのだと!

「ほかのせかいって、ちきゅうがまるいんだ」

「にしとひがしがいっしょになぁれ!」

――季節がひとつになって、雲は流れなくなり、時が止まった。

無邪気とは暴虐なもの。
少女が笑えば天から降る光の帯が、暗い場所を焼き払っていく。

そうして生まれた歪な箱庭に、キミたちは集められた。
時計の針を再び回し、焼却された時空を取り戻すために。








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